MUSICAL SHOW 日劇前で逢いましょう〜昭和みたいな恋しよう〜
2都市、全17公演お疲れさまでした。
公演が発表されてから大千秋楽まで本当にあっという間で
全部が夢みたいな時間で
まだまだ永遠に終わって欲しくなくて
きっと 日劇のラストショーを迎えた皆もこんな気持ちだったんだろうなって
今はとても寂しいけれど、この作品に出逢えて本当に良かったと心から思います。
初日、大阪公演。
朝から降っていた雨も開演時間が近づくにつれ上がり、雨上がりの澄んだ空気と秋の訪れを感じる肌寒さが心地よかった。
前日からずっとドキドキしていたけれど、会場に着くと「いよいよ幕が上がるんだ…」と実感して 劇中のタクの言葉を借りると 期待と不安が入り交じる、不思議な気持ちだった。
TTホールの大きなサイネージが嬉しくて、そこに映る悠仁さんがいつもよりキラキラして見えて。
北川拓実さん&鈴木悠仁さんからコメント到着!【MUSICAL SHOW 『日劇前で逢いましょう』~昭和みたいな恋をしよう~】 https://youtu.be/fS0pWg0p_BI?si=Feca5V9aeM8vK0kN @YouTubeより
△どでかサイネージで流れていたのはこれ
パンフレットを買って席に着く、そんないつものことが 悠仁さんの初外部舞台でできるというだけで いつもよりずっと嬉しかった。
席に着くとまず目に付くTTホールの真っ赤な緞帳が メインビジュアルの背景と似ていて
「かつての日劇の緞帳もこんな感じだったのかな」って想像してみたりして。
△本当に大好きなポスター
そうして、幕が上がった。
🐶ここからめちゃくちゃ内容に触れます🐶
悠仁さんの演じる"ジン"は真面目で日々レッスンに余念のない 令和を生きる青年。
タク、マサと共にボーイズスリーメンとして活動するも、思ったように売れない現実といつもダンスの振りを間違えるマサに苛立つジン。
「ダンスは身体に染み込ませるしかないんだよ
何も考えなくても 身体が動くようにならないと
ダンスは自分のものにはならない」
いつものようにマサを注意すると、思いがけずマサの夢を知ることになる。
ホームで踊り出すマサを諌めようと、3人は駅のホームで縺れ合って転落し、時を遡る。
目が覚めた3人は 落ちていた新聞から「自分たちがいるのは昭和の時代だ」ということを知り、
通りかかった青年に日劇の楽屋口に招かれ、そこで初めて昭和を彩った"日劇のショー"を観る。
キラキラした目でステージを観る3人、特にジンは客席をよく見ていた。
舞台袖から身を乗り出して客席を見ていて、ショーを楽しむ観客の反応が新鮮そうだった。
自分たちの公演も楽しんでくれるお客さんはいたけれど、片や有楽町の高架下のアイドル喫茶と 全盛とは行かずとも天下の日劇。きっと何十倍、何百倍もの人がいたんだろう。
客席がたくさんの拍手と歓声に包まれるその光景は、ボーイズスリーメンが求め焦がれた光景だったのかな。
出演予定だったシブがき隊の代わりに急遽 "NAI・NAI・16"を披露することになった3人。
「できるわけない」と言いながら歌も振りも完璧にこなすジン。
そこで日劇の看板である天城泉に気に入られ、娘の比奈子の後押しもあり、翌日オーディションを受けることになる。
オーディションで披露したのは初代ジャニーズが紅白で披露した"マックザナイフ"
3人がずっとお手本にしてきたジャズナンバー。
マックザナイフのジャズアレンジは現代を生きる私たちには馴染みのあるものだけど、昭和の時代を生きる比奈子は聞いたことがないと言う。
当たり前だと思っていたことが当たり前じゃない、現代の常識は通用しない。そんな世界を手探りで生きていく3人は一体どんな思いを抱えていたのかな。
ある日、いつものように公演を終えると看板がマサにボーイズスリーメンから抜けるよう告げる。
突然の宣告に動揺する皆、拳を固く握りしめるジン。
いつも振りを間違えるマサを怒っていたジンだけど、誰よりも愛を持って注意しているのは伝わっていたから マサの練習にずっと付き合っているのもジンだったから。
舞台を後にするマサを真っ先に追いかけ その背中を見つめる姿に胸が苦しくなった。
(この後の植本さんとマサのシーンが優しくて面白くてあたたかくて、毎日楽しみにしてた。笑えて泣ける大好きなシーン)
新たなメンバーとして沢井を迎え、新生ボーイズスリーメンとなり人気も出てきたある日、2ヶ月後に日劇が閉館すると告げられる。
動揺する人、受け入れる人。
それぞれのラストショーが始まる。
ラストショーが近づいてきた、ある夜。
国立寮の部屋から見える踏切の前に佇むジン。
警報機の音が鳴り、踏切が閉まる。
電車が通過しようとした刹那、電車に吸い寄せられるように走り出すジンに沢井が叫ぶ。
遮断機が上がり、息を飲むジンに沢井はわざと明るく「どうしたんだよ、こんなところで」と声を掛け、ジンも何事も無かったかのように返事をする。
2人の思い出話。
沢井があの日楽屋口で3人を拾った時のこと、
3人がナイナイを完璧に踊ったこと、
来来軒で食べたラーメンの味、
沢井がボーイズに入る前も入ってからも ジンをお手本にしてきたこと、
そして、これからの話。
沢井とジンはよく似ているから、毎日本番が終わったあとも自主練をする真面目さと ショーに対する熱意が似ているから、だからきっと沢井はジンの存在に助けられたしジンは沢井の存在に救われていて お互いがお互いを認め合える唯一無二の関係だったんだろうなって。
だから、ジンはあの時沢井に「未来から来たんだよ、何十年も先の未来から」って伝えたかったんだと思う
その声が電車の音に掻き消されても
たとえ届かなくても
沢井には伝えたかった
沢井を見送って再び遮断機が降りた踏切を見つめるジンの背中がまるでこの時代に別れを告げてるようで、なんだか哀しかった。
♪星屑のステージ / チェッカーズ
星屑のStage
涙をしきつめて
約束だね この歌 俺
Cry cry crying
歌うよ
歌うよ
Forever
ジンはきっと 現代に帰っても歌うことをやめないし、この時代で経験したことも出逢った人たちのことも忘れない。
物思いに耽る夜もあるけど、何よりもこの仕事が好きなジンだから、上を向いてステージに立ち続けるんだろうな。
そしていよいよ、ラストショーの幕が上がる。
最後のスワニー、
本当のフィナーレ。
指先足先まで洗練された動きは変わらず、でもどこか力強さがあって 三方礼ではボーイズを始め 全員が晴れやかな顔をしていて
皆にとっても良いラストショーだったんだなって 寂しいけど 終わって欲しくないけど 皆の表情を見てどうしても実感してしまった。
日劇でのショーはこれで最後だけど、ショーはここ以外にもたくさんあるから。ショーの人間は運命共同体。ステージに立ち続ける限りいつかまた逢えるから。
だから、ここでさようなら。
「これでおしまい!みんな お疲れさまでした!」
そう激励する看板に深く深く頭を下げ、
「…やっぱり帰ろう!」
「そうしよう、俺たちがこれ以上ここにいると色んな人に迷惑が掛かる。」
「「「お世話になりました!!!」」」
そう言って走り出す3人、向かう先はあの日と同じ有楽町のホーム。
向かいのホームから沢井が叫ぶ。
最終電車が入ってくる線路に 迷いなく飛び込む。
暗転、そして現代。
目を覚ましたのは薄暗いアイドル喫茶の前室とは違う、広くて明るい楽屋。
タク、ジン、マサ、沢井、そして比奈子。
アンコールを求めて拍手が鳴り止まない会場。
ここからボーイズフォーメンは始まる。
予感に胸を高鳴らせ、4人は歓声に包まれたステージへ走り出す。
とっても長い上に8割内容振り返りブログになってしまったけれど、私の日劇前もこれをもって一旦おしまい!
ラストについてはたくさん考察があるけど、私はそのまま受け取っておきたいと思います。
ジンたちが昭和で過ごした日々は全部本物。夢のような、何にも代えがたい経験。
それはきっと悠仁さんにとっても同じ。
悠仁さんの武器のひとつであり、誰にも負けたくないと豪語する"歌"
その歌声でたくさんの人を幸せにできる人。
ファンとして、なかなか外部舞台の機会が回って来ずやきもきする日々を送っていたけれど
それも全部この作品に出逢うためだったのかな。
「悠仁にミュージカルのお仕事を」ってファンの方々が前から言ってくださっていて。今、「やっとミュージカル来たね!」って喜んでくれているよ。ありがたいよね。
△このテキストがすごくすごく嬉しかった (ベスステ'23 11月号)
悠仁さんの性格を表すように優しい歌声。
現場ごとに驚くほど上達しているダンス。
(今回歌はもちろんだけど、ダンスを褒めてくれるお友達が多くて嬉しかった)
映像向きと言われるけれど舞台でも通用するお芝居。
ふとした時の表情も、カーテンコールでジンから悠仁さんになるところも、幕が降りる最後の最後までしゃがんで手を振ってくれる姿も全部が宝物で。
△これも宝物
この1ヶ月でたくさんの宝物をくれたけど、これからももっとずっとたくさんの宝物をくれるんだろうな。
今はそれがとっても楽しみです。
改めて、日劇前で逢いましょう 完走おめでとうございました。
ここで出逢ったこと、素敵なショーを見届けられたこと、ずっとずっと忘れません。
またいつか ジンと皆に逢えますように。
2023.11.26 えの
MUSICAL SHOW 『日劇前で逢いましょう~昭和みたいな恋をしよう~』公式ホームページ
https://nichigekimae.com